言葉遣いにも注意しよう
基本的な言葉遣い
利用者と会話をする際は基本的に敬語を使います。職員よりも高齢の方であることがほとんどなので、相手を敬う姿勢が求められます。ただし、場面によっては使い分けも必要です。全ての場面で敬語を使うと、他人行儀に感じられる可能性があるためです。敬語を基本にしつつ、時と場合によって使い分けましょう。また、敬語を使っても口調がきつければ相手は不快感を覚えるので、柔らかい口調を意識してください。語尾が強いと怒りの感情が伝わり、抑揚のない話し方ではいい印象を与えないので、やさしく穏やかなトーンで話してください。
時と場合に応じて敬語を使い分けると説明しましたが、だからといってタメ口で会話をするのが望ましいわけではありません。タメ口を使うことで利用者との距離を縮められると勘違いしている人もいるようですが、全ての利用者が親近感を持ってくれるとは限りません。むしろ、不快感を覚える可能性の方が高いでしょう。また、タメ口で利用者と会話している姿をご家族が見た場合にもいい印象を与えません。これまで築き上げてきた信頼関係を壊してしまう可能性もあるため、タメ口は基本的に控えるようにしてください。
避けるべき言葉遣い
まるで子ども扱いをしているような言葉遣いは避けてください。自身に置き換えてみると分かりやすいでしょう。後輩から「~をしちゃダメだめ」など、子どもを注意するような口調で話されてもいい気はしないはずです。また、周囲からは利用者を馬鹿にしているように見えます。親しみやすさと子ども扱いは全く異なるものです。子ども扱いをしなくとも、利用者に親しみやすさを感じてもらうことは可能です。
命令口調も避けるべきです。「~をしなさい」「~をやりなさい」など、明らかな命令口調で話されると利用者は不快感を覚えます。「~をしてください」という丁寧な言葉遣いであっても、語尾が強いと命令口調とほぼ変わらない印象を与えるので注意してください。もし、丁寧な言葉遣いを意識しているのに利用者が怒っている場合は、口調が関係しているかもしれません。丁寧に伝えているつもりでも、声のトーンや語尾の強さが原因で怒っているような印象を与えている可能性があります。
絶対にしてはならないのが、相手を見下したような言葉遣いです。尊厳を深く傷つけ、健康状態にも悪影響が及ぶ可能性があります。見下したような言葉遣いをするということはつまり、「自分が優位な存在だと思っている」ことの表れです。相手に寄り添うことを大前提としている介護の現場において、このような感情を持つことは許されません。
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