ホスピタリティに満ちた介護に求められる要素

基本的なマナーを身に付ける

ホスピタリティを磨くためにまず大切なのは、基本的なマナーです。「自分自身が商品」という意識を持って、身だしなみに気を遣いましょう。特に大切なのが清潔感です。自分の感覚だけでなく、周囲の人の意見も取り入れてみましょう。「他の人よりも清潔感があるかどうか」という視点を持つことをおすすめします。
基本的なマナーとしてもうひとつ重要なのが言葉遣いです。まずはあいさつを大切にしてください。あいさつは最初のコミュニケーションであり、自身の印象を左右する重要なアクションです。聞き取りやすい声を意識しましょう。利用者と会話をする際は、専門用語は使わず分かりやすい言葉を使ってください。敬語で会話をするのが基本ですが、もし相手が敬語を嫌うようであればラフな話し方にするなど臨機応変に対応することも必要です。介護職は利用者の健康を第一に考えてサービスを提供するので、自分自身にも健康的なイメージを持たせなければなりません。そのため、元気ではつらつとした言葉遣いを意識してください。
言葉遣いに加えて表情も大切です。自然な笑顔は相手をリラックスさせる効果があります。余計なストレスを与えないように、日頃から穏やかな表情を意識しましょう。

敏感に相手の要求を察知する

利用者の要求を察知する能力も求められます。ここでポイントとなるのが「気配り」です。利用者の立場になって物事を考え、先回りして行動しましょう。コミュニケーション能力を発揮しながら、相手に気を遣わせない対応を心がけてください。自然体で会話しながら相手の思いを汲み取り、要求に応えていきます。気持ちに寄り添いながら話を聞いて、時には質問をして要求・要望を引き出す能力が求められます。会話の内容だけでなく、相手の表情や場の雰囲気にも気を配ってください。

期待値を上回るようにする

利用者に感動や感激を与えるためには、相手の予想を超える対応をしなければなりません。期待値を上回る対応をすることで、相手は満足感を得られます。そのためには、要望や好みに応じたパーソナルなサービスの提供が必要です。相手の話を聞く力を鍛えて、要望を満たせるように最善を尽くしてください。そうすることで介護の質を高めるだけでなく、介護施設そのものの評価もよくなります。チーム全体がこのような意識を持って取り組めればなおよいでしょう。上司からの評価が上がり、キャリアアップにつながる可能性もあります。利用者に尽くすことが、結果として自分自身のためにもなるのです。