傾聴力を鍛えるコツ
傾聴力とは
介護現場は介護職にとって仕事場かもしれませんが、利用者にとっては生活の場です。そこにはあらゆる思いや悩みが存在しています。その中で介護職は利用者の思いに寄り添い、しっかりと相手の話に耳を傾けなければなりません。思いを共有することで、利用者は「自分のことを理解してくれた」と感じます。この、相手の話に耳を傾けて共感する力を「傾聴力」と呼びます。傾聴力を鍛えて、利用者が安心できる環境を整えていきましょう。
バックトラッキング
ただ話を聞くだけでなく、相手が気持ちよく話せるようにしなければなりません。相手が気持ちよく話せるかどうかは、こちら側の反応がカギとなります。話を聞く際に活用したいのが「バックトラッキング」です。バックトラッキングとは主に行動心理学で用いられるもので、相手が発した言葉を繰り返すことで心理的に親密感を持たせる方法です。いわゆるオウム返しに近い方法ですが、単純に聞いた単語をそのまま繰り返すだけではいけません。また、毎回オウム返しをしているだけでは会話が広がりません。
例えば、利用者が「私は昔農家で働いていて、ここは今よりずっと田舎だったんだよ」といったとします。これに対してこちらは、「そうなんですか、自然がたくさんあるところで働いていたんですね」など、少し言葉を変えて返すようにしましょう。
細かく分割して会話を進める
高齢者は情報処理能力が落ちています。特に認知症を患っている高齢者は理解が追い付かなくなる可能性が高いので、こちらから伝えたいことがある場合は簡潔に説明することを心がけてください。例えば、「おはようございます。今日はいい天気ですね。身体の調子はいかがですか?これから食事ですが先にトイレを済ませておきますか?」と何気ない会話に見えるものでも、認知症の高齢者には伝わらないかもしれません。なぜなら、先述の会話の中には「あいさつ」「天気」「身体の調子」「次の行動」の4つの話題が含まれているからです。こういった場合、それぞれの話題を分割して会話を進める必要があります。
介護者「おはようございます」→利用者「おはよう」→介護者「今日は天気がいいですね」→利用者「そうだね、気持ちいいね」といったように、話題に対して返事が返ってきてから次の話題を進めていきましょう。
感情のコントロールが必要
相手の話に耳を傾けるためには、自分の感情をコントロールする必要があります。感情に任せて会話をすると関係が悪化してしまうので、そうならないように「アンガーコントロール」をしましょう。会話中に怒りの感情が湧いてきたら、頭の中で強く「ストップ!」と唱えてください。漠然と呟くようにではなく、大きな声で叫ぶイメージを持つと効果的です。
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